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2008-01-29 15:44
中国主張の大陸棚論は根拠がないことを報道せよ
湯下博之
杏林大学客員教授
一時「政冷経熱」と言われて、政治面が冷却していた日中関係が、急速かつ大幅に改善していることは、実に喜ばしい。日中両国は、双方にとって長い歴史を通じて重要な国であり、両国の関係が良好であることは、それぞれにとって極めて重要な意味を持つのみならず、周辺諸国からも望まれていることである。昨年の温家宝首相...
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2008-01-28 15:20
鯨を守る羊飼い達
佐島直子
専修大学教授
ある英単語が気になってならない。「シェパード(shepherd)」である。言うまでもなく、羊飼い、牧羊者のことであり、喩えて牧師、指導者の意味で用いられている。大文字の「the Good Shepherd」はどこかの「羊飼い」のニックネームではなく、「イエス・キリスト」その人を指す。その名の教会が...
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2008-01-25 10:50
JICAと危機管理の34年
西川恵
ジャーナリスト
日本の開発援助機関である国際協力機構(JICA)が創設されて今年で34年になるが、現地で技術指導など援助の仕事に携わっていて亡くなった人が217人いることを知っている人は少ないのではないだろうか。JICAは海外に駐在職員のほか、青年海外協力隊(20歳から39歳)、シニア海外ボランティア(40歳から...
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2008-01-21 13:50
国家公務員と議員の接触は禁止すべきか
大河原良雄
グローバル・フォーラム代表世話人
1月9日付の朝日新聞朝刊は「国家公務員、議員と接触、原則禁止」と一面トップで大きな見出しを掲げ、福田首相の私的懇談会「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」の制度改革の答申内容を報じた。同紙によれば、答申原案は「議員内閣制の本家である英国の制度を意識して政と官との接触禁止を提唱したのが最大の特徴...
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2008-01-21 10:16
韓国の高校生へ
岩國哲人
衆議院議員
韓国の釜山市にあるイザベル学園に講演を頼まれて、すずやかな目で行儀よく座っている千三百人の高校生に、私は次のような話をした(以下、その講演の内容である)。
日本と世界との関係を少し皆さんにお話ししましょう。日本は地図で分かるように小さな島国です。小さな日本は世界からたくさんいろんなことを学...
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2008-01-18 12:29
捕鯨問題に対して「科学的」対応を
福嶋 輝彦
桜美林大学教授
1月15日南極海の日本の捕鯨船に米「環境保護団体」シー・シェパードの活動家2名が乗り込んだ事件は、16日夜日本のテレビでも大きく取り上げられるに至った。しかし、この手の展開は十分予想された出来事であり、日豪両政府とも冷静に対処し、18日には2名は豪政府の巡視船に引き渡され、一応事件は解決した。とは...
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2008-01-15 16:57
そろそろ国としてじっくり考えてみるとき
湯下博之
杏林大学客員教授
雑誌『文藝春秋』の2007年12月号に掲載された藤原正彦お茶の水女子大学教授の「教養立国ニッポン」と題した論文を読んで、いろいろ考えた。教授は、「グローバル化」により「我が国の至宝ともいうべき国柄が片端から壊され、日本は今、ごく凡庸な国へと坂道を転げ下りている」とし、米国による「巧妙なマインド・コ...
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2008-01-15 16:17
オーストラリアの政権交代が意味するもの
福嶋 輝彦
桜美林大学教授
年が明けて米大統領選での民主党党員集会で、オバマ候補が「変化」という言葉を唱えて善戦した。 ここから思い起こされるのが、昨年11月のオーストラリア総選挙での政権交代劇である。議員になってから10年に満たない野党のラッド労働党党首は「変化」を前面に押し出して選挙戦を戦った。これに対して、経済は長期の...
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2008-01-13 00:17
政府も国民も「最悪事態」と「優先順位」を常に考えよ
小笠原高雪
山梨学院大学教授
このところ新型インフルエンザの脅威に関する報道が増えているが、それらによれば、この問題に対する政府の準備はきわめて遅れているようである。米国政府はすでに三億人分のワクチンの確保を目指して具体的な作業に着手し、半年後には達成する見通しであるという。もしわが国において感染爆発といった事態が起こり、多数...
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2008-01-12 11:30
地球温暖化と過剰流動性に共通するもの
古屋 力
会社員
いま我らが地球をすざまじい勢いで急激に被いつつある脅威が2つある。1つは「地球温暖化」、1つは「過剰流動性」である。前者は「温暖化ガス」が、後者は「国際通貨」が主役である。この2つの脅威には共通点が幾つかある。そのことを指摘しながら、解決策の手がかりを探ってみたい。
まず、1つ目の共通点...
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2008-01-11 11:03
福田首相は徳川吉宗か慶喜か
伊奈久喜
新聞記者
正月のテレビはなぜか時代劇が目立つ。それにならって表題のテーマを考える。あくまで例え話である。各種の時代劇や時代小説で得た知識を前提にしており、史料を参照したわけではない。人物論は人口に膾炙したイメージに基づく。
吉宗は八代将軍であり、紀州藩主から将軍になり、享保の改革に取り組み、徳川幕府...
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2008-01-11 10:57
技術供与に特許活用を忘れるな
田島高志
東洋英和女学院大学大学院客員教授
2008年1月7日付の日経新聞夕刊に、農林水産省が稲わらから低コストでバイオ燃料を生産する技術を開発し、09年度にも中国やタイなど稲作が盛んなアジア地域に対し生産協力を始めるとのトップ記事が掲載された。この記事は、確か10年ほど前にやはり農林水産省が日本の持つ農作物の遺伝子技術につき、これは普遍的...
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2008-01-08 14:33
需要創出と投機資金規制は急務
河合正男
白鴎大学客員教授
最近の株価の大幅下落には、二つの大きな原因がある。一つは、米国のサブプライム・ローンの焦げ付きに見られるように低所得者の需要が伸びなくなっていることである。もう一つは、富裕層(及び金余り国)の余剰資金が投機に走り、石油等の国際商品価格を暴騰させていることである。
これは1929年に米国から始...
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2008-01-07 20:01
自衛隊員が語り継ぐべき教訓
佐島直子
専修大学教授
「冷戦」を「長い平和」と呼んだのはジョン・ルイ・ギャディスである。その「長い平和」の中で、日本は発展と繁栄という恩恵を得た。しかし、この「長い平和」は、核抑止力という強い緊張関係がもたらした硬直の時間でもあった。いわば「デモクレスの剣」の下で、ヒトビトは恐れおののき、息をつめて暮らしていた。その結...
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2008-01-07 19:43
油か、水か、日本の貢献
岩國哲人
衆議院議員
日本は第二次大戦の悲劇を最もよく知る国の一つ、そして原爆を体験した唯一の被害国である。日本は、「普通の国」を目指すべきだという俗論があるが、日本は「普通の国」どころか、「普通の国」以上に戦争の脅威と平和の大切さを声高に語らねばならない、世界でたった一つの国ではないか。そのような国だからこそ日本は、...
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2008-01-01 14:32
新年明けましておめでとうございます
伊藤 憲一
グローバル・フォーラム執行世話人
2008年、平成20年の年頭を迎えるに当たり、グローバル・フォーラムを代表して、日頃その政策掲示板「議論百出」にご投稿賜り、またはご愛読頂いております全国、全世界の皆様に、謹んで新年のお慶びを申し上げたいと思います。
最後に「全世界」を付け加えさせて頂きましたのは、当初は予想もしていなかっ...
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2007-12-30 00:35
連載投稿(3)北方領土問題とは何か(3)
茂田 宏
元在イスラエル大使
私は、スターリンが日本に対して行った不正を日本国民は決して忘れてはならないと考えている。自らが被害者である不正を正すことが出来ない国に、国際社会での正義を説く資格はない。そういう意味でこの問題は、不正を正す問題、正義を回復する問題であり、かつ日本国のあり方の根本に係わる問題である。1993年の東京...
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2007-12-29 22:19
連載投稿(2)北方領土問題とは何か(2)
茂田 宏
元在イスラエル大使
8月10日の会談で、マリク駐日ソ連大使は参戦の理由として「日本がポツダム宣言を拒否した」ことをあげたのに対し、東郷外相は「どこからそういうことを聞いたのか。日本は天皇の統治大権に変更がないとの了解のもとで、ポツダム宣言を受諾すると既に連合国側に回答した。あなたからもしっかりロシア政府に伝えて欲しい...
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2007-12-29 21:59
連載投稿(1)北方領土問題とは何か(1)
茂田 宏
元在イスラエル大使
2007年12月2日付読売新聞は、森元総理がプーチン大統領と会談、日露平和条約について2001年のイルクーツク声明に基づき「相互に受け入れ可能な解決策」を探るべきだとの認識で一致したと報じている。北方領土問題は日本外交における最重要な問題の一つであるが、最近ではあまり話題にならない。私は北方領土問...
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2007-12-26 13:32
連載投稿(2)板垣与一と資源ナショナリズム
池尾愛子
早稲田大学教授
『世界の資源と日本経済』巻頭の総論「現代の資源問題」は板垣与一によるもので、資源ナショナリズムに関する議論を含んでいる。彼はまず、「資源概念および資源問題は、科学技術の変遷とともに転移する」と指摘する。次に、近代西欧ナショナリズムと現代非西欧ナショナリズムを区別して、「植民地主義を根ッ子にもつ西欧...
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