ただ、今回の交渉不調、アメリカではネオコンや保守派がフランスの強硬姿勢を評価しているというのは奇妙な符合です。マケイン上院議員はツイッターで「Vive la France(フランス、万歳)」とまで書いているのを見ると、イラク戦争で対立した時とはかなり様相を異にしています。欧米の交渉筋は表向きにはノーコメントですが、匿名で「これまで何ヶ月も議論してきたのに、最終盤で出張ってきて、交渉をかき混ぜやがって」とボヤいていて、ついでに「ファビウス外相はメディアに出たがりで、おまけに話し過ぎる」とも言っています。逆にフランス側は、アメリカのケリー国務長官とイランのザリーフ外相間で合意しかかったものに対して、「ケリー国務長官は一度も見たことのない文書を突然P5+1に持ち込んできた」と反発しています。何となく、交渉の取り進めぶりにも混乱があったことを窺わせます。