アメリカ経済学会(AEA)の2010年アトランタ大会では、ヨーロッパの金融経済に関するセッションが幾つか組織されたことを、本掲示板にて1月10-11日に紹介した。「金融危機の唯一の震源地はアメリカであったとは言い難い」として、ユーロ圏の住宅価格などの時系列データを提示して、「ドイツでは統一バブル、スペインでは著しい建設バブル(住宅バブルを含む)、他の諸国では住宅バブルがあり、いずれもはじけた」と分析したのは、欧州政策研究センター(Center for European Policy Studies、CEPS)のダニエル・グロス氏であったことを追記しておく。CEPSは1983年にブリュッセルに設立されたシンクタンクである。彼の発表「なぜヨーロッパは(アメリカより)苦しむのか」と同じタイトルのワーキングペーパーが、CEPSのウェブサイトに掲載されている(CEPS Policy Brief, No. 194/16, July 2009、http://www.ceps.eu/)。