2014年4月に出た英文拙著『日本での経済科学の歴史:20世紀における経済学の国際化』(A History of Economic Science in Japan: The Internationalization of Economics in the Twentieth Century)のペーパーバックが今年4月に利用可能になっている。海外の学会、国際会議、セミナーで発表し、質問やコメントを反映させて改訂を重ねた諸論文、専門誌に掲載された緒論文を、アップデイトして、自分で編集するようにして1冊の書籍にまとめ上げた。そして今月、ヨーロッパの『比較社会学』(Comparative Sociology)という雑誌に、学生時代の最初の2年間に物理学と経済学を勉強した後、中国学に転向した研究者が拙著の内容をよく理解した書評を載せてくれた。しかしながら、今年半ば、出版社から、「企業や財団にまとめて買い上げてもらう」ことを示唆されたので、海外での売れ行きに比べて、日本国内での売れ行きが芳しくないのかもしれない。日本研究でも西洋研究でも英語での発信をめざす研究者には役立つと信じているので、論争になるかもしれない点を紹介させていただきたい。