同時に、新疆に暮らす多くのウイグル人たちも、「分離独立」を願っているとは言えないと考えられます。H.S.リーが2003年に新疆で行った調査「Herbert S. Yee (2003) “Ethnic Relations in Xinjiang: A Survey of Uyghur-Han Relations in Urumqi,” Journal of Contemporary China, 12(36), pp.431-452」は、これを裏付けるものといえます。リーの調査の要点をピックアップすると、(1)「自分の民族に誇りをもつか」-「もつ」(ウイグル人:90.6%/漢人:67.4%)。(2)「改革・開放以来、ウイグル人の生活水準の改善は、漢人のそれより早くなったか」-「同じ」(ウイグル人:49.5%/漢人:46.9%)、「早くなった」(ウイグル人:15.1%/漢人:38.0%)、「遅くなった」(ウイグル人:38.0%/漢人:12.5%)。(3)「分離独立運動への参加は全ての人々を傷つける(harm)か」-「強く賛成する」(ウイグル人:35.8%/漢人:64.4%)、「賛成する」(ウイグル人:47.9%/漢人:28.2%)。(4)「分離独立運動への政府の対応は」-「妥当」(ウイグル人:34.9%/漢人:52.2%)、「わからない」(ウイグル人:51.9%/漢人33.9%)。