2010年1月21日、Citizens United v. Federal Election Commission の裁判で、米国最高裁は、米国憲法修正第一条に基づき「政府は、法人及び組合による政治献金限度額を定めることは出来ない」とした判決を下しました。その後2年が経過した今日、米国各地で、この最高裁の判決を覆す運動が静かに広がっています。米国に複数存在する非営利団体などは、様々な媒体による教育および署名活動を通して、この運動を率先しています。米国憲法修正第一条は、言論の自由、集会の自由、宗教の自由などを保障したものですが、これらのウォッチドッグ組織は、「お金の自由は言論の自由と同一のものではない」と主張していて、法人の金力が政治家に及ぼす影響力を懸念し、現状の改革を促すことを目的としています。更に、この憲法改正要求の趣旨は概ね、憲法により自然人に与えられた権利を法人から除外する、法人による全ての政治資金の提供を禁止する、議会と州が法人を規制する権利を確保する、選挙資金と出費の限界を設定する、などが具体案になっています。この運動を支持する複数のメディアも存在し、全国レベルで確実に進行しています。
私個人が、People For the American Way から受理した電子メールの情報によると、コロラドのジェイムスタウンの保管委員会では、憲法の権利は人間のみにその権利を与えたものであり、法人に与えたものではないことや、米国憲法修正第一条は、言論の自由とは異なり、「無制限の政治献金を保護するためのものではない」ことなどを根拠に、憲法改正を要求する決議案を満場一致で通過させたそうです。ネバダ州の観光地としても知られるボウルダー市は、お金が言論の自由と同様に解釈されている法自体の改正と「法人も自然人である」とする現行米国憲法の改正を要求する投票を可決しています。カリファルニア州では、「ウォール・ストリートを占拠する」運動の中心地になっているロスアンゼルス、オークランドなどを含めた7都市の市町村議会で「法人の選挙活動を有権者に保障されている言論の自由と混合してはならない」ことを主張して、憲法の改正を促す運動が盛り上がっています。モンタナ州のミズーラ郡では、「法人は自然人ではなく、市民と同等の権利はない」ことを明確にした憲法改正の提案を、議会に緊急上程するための住民投票が承認されています。ルイジアナ州のモンローおよび米国北東部ニュー・イングランド地域のメイン州でも、法人が自然人としてビジネスを行なうことを認めない旨の地域統治条例を通過させました。