クリントン長官は大統領選予備選の最中、昨年夏に米国の外交専門誌“Foreign Affairs”の7~8月合併号に、次期大統領候補としてのアジア外交政策に関する論文を発表したが、その中で同氏は大部分を対中国政策の重要性についての説明に充て、日本については僅かに2、3回簡単に言及するに止まった。この論文が発表されると、同氏の対アジア政策は即ち対中国政策であり、日本については全く考慮が払われていない、との厳しい反響が国の内外各方面から寄せられた。反響に驚いたのであろう同氏の外交問題助言者であった Richard Holbrook 大使は、急遽ニューヨーク日本総領事館における記者会見を招集して、「同論文は日本軽視のものではない」旨の釈明を行った、と報じられたのは記憶に新しい。この関連で、2000年にビル・クリントン大統領及びヒラリー・クリントン夫人が中国を訪問し、8日間に亘って中国に滞在したことは、クリントン夫妻の中国傾斜を物語る異例のことと報じた、メデイアの大きな報道振りも想起される。