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2026-08-27 15:28
(連載2)カナダ アメリカ関税戦争
岡本 裕明
海外事業経営者
実際にはこのスムート ホーリー法を今、適用するのが違憲ではないか、という話がすぐに出てくるでしょう。法律の背景は米国内産業を守り、雇用を確保する、が目的です。今回の50%の追加関税品目はホッケーのスティック、かつら、はちみつ、化粧品…などであり、アメリカが重視する乳製品や自動車産業を脅かすアイテムは全く入っていません。よって法曹界からはこんなの違憲以外の何物でもない、という意見が主流を占めています。この法律の最大の弱点は本来議会が関与すべき法律に基づく施行とか三権分立の原則を完全に無視して大統領の権限で出来てしまうことが問題なわけです。よってこんな法律は永久に葬り去らねばならず、それを形の上で残していたアメリカ議会の怠慢でもあるとも言えるのです。
そうは言ってもカナダは困るだろう、と思う方も多いでしょう。しかし、株価は下げるどころか上げ、今日火曜日の株価指数は年初来高値を付けています。理由はカナダに圧倒的強みがある資源やエネルギーセクターはアメリカが壁を作ったことでよりカナダの地位が高まると考え、買いが買いを呼んだのです。またカナダは今までの貿易慣行を変えるべく必死の対策をしています。先般カナダ産重油が初めて日本に入荷したニュースがありました。今までカナダの重油は日本には適さないから輸入しないとされていたのに手のひら返しで輸入開始をしています。
また仮にアメリカとカナダの間に高い関税の壁ができると、例えば日本からカナダに製品が入る場合、今まではアメリカ経由だったものが多いのですが、それがカナダ直接に変わらざるを得ないのです。つまりアメリカの貿易量が減少し、カナダの貿易はアメリカからの輸入減を補完すべき第三国から入ることになります。だけど、カナダのものはアメリカに入りにくくなるのでアメリカでは貿易の補完関係が生じないことになります。正に1930年代にアメリカが陥った問題が再現されてしまうのです。
私はどこかで折り合うと思います。が、禍根を残すと考えるのはアメリカ、カナダ、メキシコの自由貿易協定交渉において少なくともアメリカとカナダの部分において交渉は止まる公算が高いからです。よってカナダの生き残り策としてはカナダ東部はより欧州連合との結束を、西部カナダはアジア圏との貿易やビジネスの強化が必ず打ち出されるはずで、日本とカナダの立ち位置も変わる可能性はあります。ただし、アメリカが必ず邪魔をするはずで日本の政権に「カナダと仲良くするなら条件を見直す」といった脅しをしないとも限りません。アメリカはドラえもんに出てくるジャイアンみたいな性格を持ち合わせています。上から目線のアメリカが果たしていつまで通用するか、その展開からは目が離せません。(おわり)
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(連載1)カナダ アメリカ関税戦争
岡本 裕明 2026-08-26 15:18
(連載2)カナダ アメリカ関税戦争
岡本 裕明 2026-08-27 15:28
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