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2024-12-24 12:20

(連載2)ウクライナ戦争、2025年の停戦はあるか?

岡本 裕明 海外事業経営者
  私が寄せてもらっている団体のセミナーでウクライナで大使をされていた松田邦紀氏の帰国を受けて先週、レクをしてくださいました。メディア目線とは違う切り口で極めて有効なインプットを頂いたと思います。ポイントはウクライナは思った以上に善戦しており、ロシア側の疲弊度の方が高い、という点です。北朝鮮に派兵を求めるほど兵力のロスが大きい上にロシア国内に戦場に行くなり手がいないという問題を抱えています。

 ということはこの戦争は現状、若干ロシアが押していますが、実質膠着状態と言ってよいのですが、双方ともそう長く体力が続く感じでもなく、ロシアはルカシェンコ氏を口説き、参戦してもらうか、飛び道具を使うしか残っていないようにも見えます。よって私が察するにロシアが攻める東部4州の前線が崩れる前に休戦ラインを敷くのが最善策に見えるのです。仮にトランプ氏が戦争継続を求めるならなおさらのプレッシャーになるでしょう。

 ロシアは前回テストした超音速中距離爆撃ミサイルを使うこともできるし、プーチン氏はキーフに照準を合わせようか、とも発言しています。しかし、アメリカがウクライナによるロシア領土へのミサイル使用を認めたため、ウクライナを刺激する状態になるリスクが高いこともあります。松田大使もおっしゃっていましたが戦争は常に武力と外交の組み合わせなのです。その武力による目覚ましい進展がない場合、外交に頼るしかなく、トランプ氏がその仲介に積極的に介入する姿勢を見せれば25年の早い時期に停戦交渉が進むだろう考えるはナチュラルかと思います。

 もしもトランプ氏がこの和平に成功すればノーベル平和賞が転がり込んでくる可能性もあります。政治家はトラブルを解決するのがその仕事であるのでその成果が本当にあったかどうかは5年ぐらいたたないとわからないものですが、それこそスウェーデンとノルウェーが政治的にノーベル賞を出すことはなんら問題もないでしょう。ウクライナ戦争が停戦したら日本は一気に経済協力を持ち掛けたいところです。地理的には非常に遠いですが、震災におけるボランティア活動が活発な日本の若者を見ているとウクライナ復興を手伝いたいという人も案外多い気がします。そこで日本の若者が国際社会で生きることを学んでくれればそれはまた良い足跡となるでしょう。(おわり)
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