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2024-12-23 12:16
(連載1)ウクライナ戦争、2025年の停戦はあるか?
岡本 裕明
海外事業経営者
来年の10大予想の一つに入れたいウクライナの戦争の終結の可能性ですが、私はあり、とみています。ここに来てゼレンスキー氏、プーチン氏共に休戦/停戦について否定しなくなったのはトランプ大統領の就任を間近に控え、一種の期待感と共に、両国ともそのきっかけを逃すと留まるところを知らない泥沼戦争になることを計算したからかもしれません。ただ、トランプ氏は12月20日にNATOの拠出金を条件にウクライナ支援を表明しており、当初の姿勢と大きく変わっている点にはどこまで本心なのか検討の要があります。
トランプ氏が25年1月に就任しても氏の任期は4年で、再選は憲法改正をしない限りありません。とすればトランプ氏の賞味期限を考える必要があります。アメリカの中間選挙を考えると今のトリプルレッドが維持されるかどうかはその時の社会経済状態次第ですが、確率的には議会のどちらかないし両方が民主党に変わる公算は高いのです。現時点で共和党がトランプ氏を凌ぐような有力な後継者を出せないことと国民の考えが常にうねる傾向があるからです。(残念ながら人気のあるイーロン マスク氏は南アフリカ生まれなので大統領になれる要件を満たしていません。)とすればトランプ政権の後半はねじれる、つまり、トランプ氏にとってやりにくい政権になる確率が高くなります。
ここから類推するとトランプ氏が元気で突っ走れるのは初めの1年。そして2年目に黄金期を迎え、3年目で守勢に入り、4年目でくたくたになる、というのが私の読みです。とすれば国際情勢についても元気なトランプ氏がいるうちにウクライナ問題解決の道筋をつけるべきだろうというのは大いに考えられるシナリオだと思います。一点、私が思案に暮れていたのがトランプ氏が氏の大統領就任式に習近平氏をご招待するという点です。その下心は何であろうか、とずっと考えていたのですが、ふと思ったのがもしかするとウクライナ問題で和平の協力を求めるのではないか、という気がしたのです。
ロシアにとって中国は兄貴分(かつては弟でしたが今では逆転しています。)であるため、トランプ氏がいくらこうだ、と言っても習近平氏が首を縦に振らなければうまくいくはずの話もまとまらなくなります。とすればトランプ氏が習氏とディールをする公算が高いとみています。個人的にはトランプ氏は中国とトランプ1.0の時のような全面経済制裁戦争をしない気がするのです。もちろん、既存の流れは維持すると思いますが、同じやり方を繰り返すとは思えないのです。むしろ、中国を利用するという発想に転換すると思います。なぜなら中国は十分に国内問題で苦しんでおり、回復には今しばらく時間がかかる(日本のように30年経っても冴えない状態もあり得ます。)ので今更経済戦争をやっても得るものは少ないと考えるでしょう。むしろ、台湾とのディールに方向転換するとみています。台湾系御三家(エヌビディアのファン氏、TSMC、鴻海)のほうがはるかに強力であり、効果的なのです。だからこそ、習氏は利用する、そしてそれがまずはウクライナ問題だろうと考えたのです。(つづく)
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