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2022-08-18 10:41
(連載2)改造内閣を新聞各紙はどう見たか
中村 仁
元全国紙記者
「憲法で宗教の自由、信仰の自由が求められている」は正しくても、「旧統一教会の活動は宗教の枠を逸脱している。信仰の自由とは無縁」と、メディアはもっと本音を語ったほうがよい。統一教会の名称変更を認可した下村博文氏(当時文科相)は「申請があれば法的に却下できない」とか言っている。まじめな宗教団体の場合はそうであっても、巨額の献金を怪しげな手段でかき集め、どこかに流用していた統一教会は異質の集団でしょう。
読売社説は「宗教団体の政治活動は憲法上、問題ないとされている」と遠慮ががちに書いています。「旧統一教会は宗教団体かどうか疑わしい反社会的な団体」と、言い切っていいのです。 朝日は「教団と歴史的に深い関係を築いてきた自民党が本当に関係を断ち切れるか」と、指摘します。この場合は「自民党」というより、「岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三の三代。その流れで安倍派」というべきでしょう。日経は「自民党は徹底した調査を」と、訴えています。
自民党が徹底した調査をやることはまずないでしょう。新聞が独自に取材して、問題を掘りこすよう期待します。読売は「家庭連合(旧統一教会)への恨みを安倍氏に向けるのは筋違い」と主張します。「恨みがあるからといって、銃撃し殺害するのは筋違い」ではあっても、安倍家3代と旧統一教会の関係は深かったようです。月刊文春の最新号の特集「安倍暗殺と統一教会」は、その解明に迫っています。
安倍氏の国葬が早々に決定しました。世論調査では、「有権者の過半数が国葬に反対」です。改造内閣で旧統一教会との関係が深かった人物は退任させ、「今後関係を断つ」という方針が示されました。「教会との関係を今後、断つ」と「自民党の中で最も深い関係があったとされる安倍氏の国葬」との関係はどうなのでしょうか。「国葬にはすべきでない」と書く社説、「国葬は国葬で、外交的な意味があり、統一教会問題は次元が異なる話。国葬は予定通りに」と書く社説はあってもよい。うやむやにするのがよくないのです。(おわり)
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(連載1)改造内閣を新聞各紙はどう見たか
中村 仁 2022-08-17 16:05
(連載2)改造内閣を新聞各紙はどう見たか
中村 仁 2022-08-18 10:41
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