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2022-06-01 14:11
(連載2)バイデン大統領訪日の総括
岡本 裕明
海外事業経営者
同様にインドのモディ首相も淡々としており、民主主義と自国の権益を守るためにクワッドを支持するという立場で、自らがどんどんこれに関与していくという感じには見受けられませんでした。むしろ、クワッドに入っていればインドの権益を守ってくれるというメリットを感じているように見えます。
話題になったバイデン大統領の台湾防衛発言です。これについて「失言ではないか」という声も出るほどこの発言を巡る解釈が揺れています。私もこの部分について英語版のノーカットビデオを見直したのですが、記者の質問である「ウクライナに関してはアメリカは直接的関与をしなかったけれど台湾についてはどうするのか」という質問に「YES」と答え、そのあと説明をしており、確信的な発言だと思います。この報道で気をつけるべき点はYESだけが独り歩きしている点でこれでは十分な理解にはなりません。その前段の部分でバイデン大統領は「One Chinaにアメリカがコミットメントをする意味は(台湾との関係を含む)現状維持が前提だからだ」と言っているのでそれを反故にするなら約束違反だから関与するという意味なのです。つまりこの米中間の約束はロシアとウクライナのような第三国間同士の問題ではなく、アメリカと中国の2国間の「握り」なのだから何かあればアメリカが直接動く、という訳です。
但し、日本のマスコミも極論が見受けられ、それが、すわ軍事的関与に直ちにつながるといったトーンも散見できますか、そんな単純なことではありません。状況を見極めるが、「これはアメリカの威信にかかわる話ぞよ」というメッセージを北京にぐさりと差し込んだのだとみています。
総括ですが、ワンワールドが崩れ、そして各陣営が自陣を強化するための様々な努力をしている一幕だったと思います。まるで関ヶ原の合戦を前に自陣に誰がつくのか、という話と同じで有力大名である日本には「期待しているぞ」とバイデン総大将から檄を飛ばされたという感じでしょうか。それでも岸田大将は「我々が先陣を」とは絶対に言えないところがミソではありますが。個人的には日本国内で憲法改正論議と9条の解釈でまた盛り上がってくるような気がします。(おわり)
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(連載1)バイデン大統領訪日の総括
岡本 裕明 2022-05-31 15:38
(連載2)バイデン大統領訪日の総括
岡本 裕明 2022-06-01 14:11
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