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2022-03-19 22:43
(連載2)台湾情勢を展望し、中国経済の成長鈍化を歓迎したい
中村 仁
元全国紙記者
「中国、将来不安で少子化。出生数が最小の1062万人」という日経新聞記事(1/18)は気になりました。「少子化が止まらない。中長期にわたり経済成長を抑制しかねない」と。このようなことは、習近平政権が心配すればいいことなのです。日本からすると、「成長の抑制」は歓迎すべきことです。なぜそう書かないのか。
中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕し、李克強首相は台湾問題で「外部勢力の干渉に断固反対する」と、米国の台湾への関与を牽制しました。「ロシアのウクライナ侵略は、軍事大国による主権国家への露骨な干渉だ。外部勢力の干渉への反対を掲げながら、ロシアの暴挙に目をつぶるのは矛盾している」(読売社説、6日)のです。それが中国です。どんどん経済成長し、軍事予算の膨張も続いたら、台湾、日本などの安全保障は脅かされる。世論調査では、「力によるロシアの一方的な現状変更が続き、中国が台湾に武力行使でもしたら、日本の安全保障上の脅威になるか」との問いに、「そう思う」が81%の高率になりました(読売、7日付)。日本の国民は「ウクライナ情勢の次は台湾問題」となることを恐れている。
日経は社説で「成長の減速が続いている。不透明は世界経済を占ううえでも、中国経済の行方に細心の注意を払うべきだ」(7日)と主張しました。「ウクライナ情勢も下押し要因だ。共産党政権が自ら招いた政策不況から脱する抜本的な施策が見当たらない」とも。
私の考えは逆です。「ウクライナ情勢の次は台湾か」と注視されている時期だからこそ、中国経済が減速し、他国への干渉どころではなくなることが必要なのです。「抜本的な施策」が見当たらないほうがいい。習近平政権と同じ目線で考えるのではなく、台湾や日本からみた目線を持つべきなのです。(おわり)
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(連載1)台湾情勢を展望し、中国経済の成長鈍化を歓迎したい
中村 仁 2022-03-18 15:03
(連載2)台湾情勢を展望し、中国経済の成長鈍化を歓迎したい
中村 仁 2022-03-19 22:43
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