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2020-11-06 19:28
(連載2)日本学術会議問題はあまりに情報不足
倉西 雅子
政治学者
それでは、政府側は、どのような情報を国民に対して提供すべきなのでしょうか。政府側からの情報としましては、最も重要なのは、何と申しましても首相が同6名を任命しなかった理由となりましょう。この件に関して、菅首相は、旧帝大が45%を占める現状を理由とて挙げていますが、この理由では、何故、この6名のみが拒絶対象に選ばれたのか、この点を説明し切れていないに思えます。
また、同6名には人文科学系であるとする共通点があるものの、それが本当の理由であるならば、政府は、堂々と日本学術会議の自然科学系への特化の方針を示すべきですし、敢えて隠す必要もないはずです。政府の説明が不十分であるからこそ、公安案件ではないかとする疑念やアメリカから提供された極秘情報の存在が疑われる事態に至っているのではないでしょうか。
そして、同問題の根源には、政府の人事に関しては、任命権者がその理由を述べないとする慣例の存在があるように思えます。この慣例こそ、改革すべき悪しき前例主義に他ならないように思えます。官僚組織であれ、日本学術会議であれ、民主主義国家である以上、首相、あるいは、政府には、公職に関する任免の理由を国民に説明する説明責任がありましょう。むしろ、公安案件であればこそ、国民に危険性を知らせるためにも積極的に公表すべきなのではないでしょうか。
何れにいたしましても、国会にあって情報不足のままで議論しても埒が明かず、不毛の答弁が続くこととも予測されます。先ずは、政府も日本学術会議も、自らに非がないと考えるならば積極的に情報を公開すべきですし、より多くの有益な情報を提供した側を、国民は信頼することとなるのではないでしょうか。(おわり)
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(連載1)日本学術会議問題はあまりに情報不足
倉西 雅子 2020-11-05 20:54
(連載2)日本学術会議問題はあまりに情報不足
倉西 雅子 2020-11-06 19:28
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