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2019-04-25 12:45
(連載1)共産党支援「自民大阪ダブル選」惨敗の教訓
加藤 成一
元弁護士
4月7日投開票の大阪府知事・大阪市長の「ダブル選」で、大阪維新の会公認の大阪府知事候補・吉村洋文氏と大阪市長候補・松井一郎氏が、それぞれ自民系両候補に圧勝した。さらに、大阪維新の会は大阪府議選、市議選でも議席を大幅に増やした。大阪ダブル選の最大の争点は「大阪都構想」の是非であった。自民系両候補は、「都構想」に反対して「都構想に終止符を打つ」と主張し、日本共産党などの「自主支援」を受けたが、大差をつけられ惨敗した。
大阪維新の会圧勝の原因は、基本的にはこれまで約10年間の大阪における維新の会による改革と実績が評価され、「都構想」が信任された結果であると言えよう。反対に、自民系両候補の敗因は、「都構想反対」を声高に主張するあまり、府市の「二重行政」の解消や、大阪のさらなる発展のための維新政治に代わる、説得力のある対案や選択肢を明確に示せなかったことであろう。しかし、それ以上に、自民系両候補が共産党の「自主支援」を受けたことが惨敗の原因であり致命的な敗因であった、と筆者は考えている。
前回、2015年11月の大阪府知事・大阪市長のダブル選でも「都構想」の是非が最大の争点となり、「都構想」に反対する自民党大阪府連は、共産党の明確な支援を受けて対抗馬を立て、選挙期間中、自民党の街宣車上で両党幹部が揃って自民系候補の応援演説などをしたが、大阪維新の会公認の松井・吉村両候補に惨敗している。自民党大阪府連は「都構想」を廃案にするためならば手段を選ばず、政治理念も基本政策も根本的に異なる共産党の支援を受け、選挙協力したのである。
今回のダブル選ではさすがに表立った選挙協力はしなかったが、事実上、共産党の「自主支援」を受けた。そのため、選挙戦では自民系両候補は維新側から「自共共闘」などと徹底的に批判攻撃されたのである。今回の大阪ダブル選の出口調査によれば、大阪市長選では自民党支持層の実に50.0%が松井候補に投票し、大阪府知事選では、自民党支持層の56.2%が吉村候補に投票している(4月8日付け産経新聞朝刊)。この結果には、自民系両候補が共産党の「自主支援」を受けたことが明らかに影響していると言えよう。なぜなら、自民党支持層に限らず、多くの日本国民の間の「共産党アレルギー」は今でも相当根深いものがあり、支持層の反発を招いたと考えられるからである。(つづく)
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(連載1)共産党支援「自民大阪ダブル選」惨敗の教訓
加藤 成一 2019-04-25 12:45
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