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2017-10-21 09:59
(連載2)選挙公約は成長戦略も教育無償も的外れ
中村 仁
元全国紙記者
「日本が誇る自動車のトヨタも、欧米のGMやVWも危ない。自動車産業のトップは数年でグーグルにとって代わられるかもしれない」と、そのくらい急激な構造変化が起きるのだそうです。「ソフトの塊である自動運転の電気自動車が主力になる時がくる。エンジン部品が2万点もある自動車は不利になる。エンジン工場は将来、なくなる。燃費も劇的に改善する」。
「中国はソフト産業の育成を国家プロジェクトに据え、ソフト教育に力を入れている。7つのシステム工学大学院を国家政策の中核にしている」。NHKのドクメンタリーでも先日、ゲームソフト、ドローン、フィンテック(次世代金融技術)、無人コンビニ、シェア経済(共有型経済)などの分野で、多様な企業群、製品群がすさまじい勢いで登場している様子を報告していました。こういう中から未来のグーグルが誕生していくのでしょう。
ソフト産業の育成とそのための教育政策を組み合わせていくことです。教育無償化の是非、無償化の範囲などで各党は論争しています。そのようなことより、次世代をになう経済社会を作るために、どのような教育政策が必要なのかを論じるべきです。産業育成では、自民党の公約では、AI(人工知能)、IOT(モノのインターネット接続)、起業促進などスローガンだけは羅列されています。ソフト企業育成と起業の基本的な大切さをもっと訴えるべきです。立憲民主党の「再生可能エネルギー、省エネ技術への投資」は必要であっても、日本経済が低迷から脱出するための処方箋になりえません。
ソフトの専門家から注目されているのは、会津大学(福島県)の試みです。コンピューター教育と英語教育を柱にした単科大学で、教員の半数は外国人、英語による論文作成、発表が義務付けられています。大学の評価ランキングでは、800校中23位まで上がっているそうです。選挙対策のために考え出した不勉強な学生、定員割れの私学支援のような教育無償化はやめるべきです。次世代の産業育成につながるように、明確な目標を立てて、教育予算を配分していくことです。(おわり)
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中村 仁 2017-10-20 14:26
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中村 仁 2017-10-21 09:59
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