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2017-10-20 14:26
(連載1)選挙公約は成長戦略も教育無償も的外れ
中村 仁
元全国紙記者
コンピューター産業に詳しい知人が、日本の経済力、産業力の将来性を嘆いています。選挙も終盤に差し掛かり、各党は選挙公約の宣伝合戦です。「どの党の成長戦略も教育政策も的が外れている。中国はすさまじい勢いでソフト産業を強化しており、米中と日本の格差は広がる一方。このままではインドにも追い越されてしまうだろう」と警告します。「今やソフト産業が産業、経済の将来性を握っている。産業政策も教育政策もそこに焦点を絞らなければならない」と、知人は警告してます。ソフト産業を具体的にいえば、米国のアップル、グーグル、マイクロソフト、フェースブックであり、サービス業を加えるとアマゾンなどです。
世界のトップ10の企業のうち、ほとんどがソフト産業、それを駆使した金融関係が上位(株式時価総額)を占めています。かつて経済、産業力の根幹をなした製造業、資源産業のシェアは落ち続けています。上位10社の時価総額4兆6000億ドルのうちソフト産業は2兆7000億ドルを占めます。10年前は総額2兆6000億ドルに対し、ソフト産業はその10分の1程度でした。ソフト産業が経済成長をけん引するのです。
20年前に日本の総生産額(GDP)の10分の1だった中国は、今や日本の2倍に拡大しました。20分の1だったインドが日本の2分の1まで接近しています。「ソフト産業が成長して、GDPを押し上げている。インドは英語圏で、ソフト教育や開発に有利なので、数年で日本を追い越す」。
なぜ日本だけが過去20年も、経済成長をしていないのか。景気政策、金融財政政策に原因があるのではないでしょう。ソフトを中心として、試行錯誤の末、成長していく新規企業が次世代の産業を背負っていく展開がなかったからでしょう。(つづく)
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中村 仁 2017-10-20 14:26
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