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2017-01-13 10:15
(連載2)自動車業界の動きと円安に関する韓国勢の懸念について
真田 幸光
大学教員
日本には現在、10社の主要完成自動車メーカーがありますが、実際に全ての企業が経営資源を潤沢に持っているわけではありませんので、為替変動による利益の増加は、「神風」的メリットをもたらすかもしれないと私も考えます。
日本勢の中でも最も多くの手持ち資金を持つ世界のトヨタ自動車ですら、経営資源を有効利用するために、現在、事業を集約しM&Aを行っている状態とも言える訳ですから、尚更、為替の動きには、関心が向くのでありましょう。そして、2016年1月にダイハツ工業を完全子会社化した際に、トヨタ自動車の豊田社長は、「自前主義にこだわっていると競争に勝てないため、小型車をダイハツに任せることにした」とコメント、これに対して、ダイハツ工業の三井社長も、「自動運転などの次世代技術は待ったなしの状態である。自らの事業規模を超えるリソーセスが必要となるのは明らかとなっている」と、M&Aの相互メリットと必要性を強調しています。
また、そのトヨタ自動車は、マツダとも2015年に、経営資源の活用や商品・技術の補完などを目指した業務提携に向けて基本合意をしています。トヨタ自動車は既に、トラック製造に強い日野自動車を2001年に子会社化、2005年には富士重工業に、2006年にはいすゞ自動車に出資をし、資本提携を行い、前述のマツダとは、2015年には具体的に環境、安全技術分野を軸に包括提携を結んでいます。トヨタ自動車の燃料電池車技術とマツダの高出力・低燃費技術を相互提供する予定で、更に、今年にはスズキとの提携にも踏み切りました。自動車業界の日本勢は、独自路線色の強いホンダや既にルノー傘下に入っている日産自動車を除き、トヨタ自動車を軸に再編の動きを加速化させる姿勢を示し、円安がこうした動きを更に加速化させるであろうと言う見方を、現代自動車の朴副社長が指摘したと言えるのです。
果たして、そうした見通し通りとなるのか? 更にその前提として指摘されている、本当に相対的な「円安」が今後も継続するのか、引き続き、注視していく必要があると考えています。(おわり)
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(連載1)自動車業界の動きと円安に関する韓国勢の懸念について
真田 幸光 2017-01-12 18:57
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(連載2)自動車業界の動きと円安に関する韓国勢の懸念について
真田 幸光 2017-01-13 10:15
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