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2017-01-12 18:57

(連載1)自動車業界の動きと円安に関する韓国勢の懸念について

真田 幸光  大学教員
 韓国の主要企業の一つである現代自動車の朴副社長は、来年の世界自動車産業の見通しに関して、「円安を追い風に日本メーカーが巻き返しを開始する」と予想しています。即ち、朴副社長は、「2012年10月から始まった円安はまだ続いている。円安が長期化すれば、その影響は単純な販促競争に留まらず、日本製品の競争力へと繋がる」とコメントしています。

 更に、朴副社長は、「自動車の開発サイクルは通常4~5年とされており、日本メーカーが円安で得た利益を研究開発に投資していれば、来年はその成果を反映した新モデルなどが出始めるころで、その代表的なものがトヨタ自動車の新型“カムリ”となろう。また日産自動車が三菱自動車を傘下に収めたことや、トヨタ自動車とスズキの提携などが顕在化しており、我々としては非常に警戒せざるを得ない」と、強い警戒感を示しています。

 ここで、実際に世界の自動車業界再編の動きを眺めてみますと、次世代車の開発が今後の自動車業界の維持発展のために不可欠となっており、これを意識した再編、提携の動きも見られています。また、自動運転を巡る開発に関しては、「グーグル」や「名古屋大学」の参画など、自動車業界を超えており、更に産学連携の動きも顕在化しています。

 一方で、こうした開発には、多くの費用を必要とすると言う現実があり、朴副社長が指摘する通り、円安によって日本企業が一息つければ、日本勢は有利にこうした再編の波を乗り切ることが出来るようになるかもしれません。(つづく)
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(連載1)自動車業界の動きと円安に関する韓国勢の懸念について 真田 幸光  2017-01-12 18:57
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