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2016-11-08 11:15
(連載2)東南アジアに於ける米国の存在感について
真田 幸光
大学教員
更に、米国大統領がこのまま予想通りにクリントン大統領となれば、そのヒラリー・クリントン氏が中国本土との一定の関係を持つと言うことを理由として、米国自身の中国本土に対する影響力が落ち、その結果、東南アジア諸国は一層、相対的な米国離れ、相対的な中国本土寄りの姿勢を示すのではないかとの意見も出てきています。
こうした中、米国は対中防波堤として、「日本、韓国、台湾、香港」などをカードとした動きを示そうとしているとも見られますが、「韓国国内はかなり米国離れをしており、米国自身も韓国をあまり頼りとしていないのではないかと見られる」、「香港はそもそも中国本土に帰属した一国両制度の地域であり、パワーゲームを行うには限界がある」、「台湾は、現行の蔡政権に対する期待は大きいものの、その防波堤としての影響力は、台湾の国力からして、やはり限定的であろう」といったことが考えられ、米国の日本に対する期待が高まる中、各国の日本に対する圧力も高まる、場合によっては、ヒラリー氏に日本だけが梯子を外される可能性もあるかもしれないと、日本は、ある程度は想定しておかなくてはならないかもしれません。
こうした見方を前提にした様々な視点から見て、国力低下の否めない米国の東南アジア、そして東アジアに於ける立ち位置を確かめつつ、日本としても上手に立ち居振る舞いをしていかないと、米国・ヒラリー氏から梯子を外され、日本のみが浮き立ってしまうと言うことは起こりはしないかと心配します。
そして、そうした意味からすると、年内に予定されているロシアとの首脳会談を軸としたロシアとの外交関係を今後、日本が如何にして利用していくのかについてもしっかりと考え、日本自身の立ち位置を固めていく必要がありそうであります。時代の流れは複雑であり、今一度、潮目の変化がありそうな予感もしています。今後の動向を注視したいと思います。(おわり)
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真田 幸光 2016-11-07 17:15
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