私のそもそもの専門である「政治学」の世界では、世の中が最も安定となる状態は、覇権=Hegemony、均衡=Balance of Power、の二つであるとされています。そして、英国と言う国は欧州大陸・フランスから征服王がグレートブリテン島に渡り、先ずはグレートブリテン島の覇権を掌握(私の見るところエリザベス女王一世時代に確立)、その上で、その「島」から大陸欧州を鳥瞰図的、複眼的に眺め、大陸欧州の各国を意識しながら、世界にその覇権を広げることを徹底し、世界的に見られた「帝国主義」の中で、「パックスブリタニカ」を構築、その後、第二次世界大戦後は、米国のオバマ大統領もコメントした、「米国との特別な関係」も巧みに利用しながら、表面には米国を立たせて、世界の「標準=Standard、例えば、標準時、国際言語、基軸通貨、国際的な法律基準、国際的なものづくり基準、国際的な会計基準等々」の根幹を英国が握りながら、今日に至っています。英国のグレートブリテン島を縦断されたことがある方はお気づきですよね?英国にはめぼしい資源はあまりありません。よって、大英帝国の人々は、目に見える「有形資産・資源」を背景とした覇権を考えるのではなく、大英帝国の人々の内面に存在する知恵を背景とした目に見えない「無形資産・資源」を背景として世界に君臨する手法を取り、英国が生み出した独自の、「統治システム」を背景にその覇権を拡大して言ったのであります。