15年ぶりに、「女性の経済学・経済思想の歴史」の国際プロジェクトが動いている。1990年代半ばに、山川菊栄(1890-1980)、三瓶孝子(1903-1978)、谷野せつ(1903生)についての項目を書き、『女性エコノミストの伝記的辞典』(A Biographical Dictionary of Women Economists、2001年)に収録された。英語の「economist」には大学所属の経済学者も非教育機関の経済専門職(エコノミスト)も含まれる。前回、松平友子(1894ー1969)には気づいていたものの、最寄り図書館で彼女の書物が入手できず、手つかずになっていた。今年3月、お茶の水女子大学図書館に通って、彼女の仕事のほとんどに目を通すことができた。『日本における女性と経済学―1910年代の黎明期から現代まで』(北海道大学出版会、2016年3月)の出版も追い風になっている。