この国民投票での論点は主として3つ。まずは経済への影響だ。イギリスの産業は弱体化している。その中で群を抜いて強いのが金融業だ。ロンドンは世界の金融市場の中心的役割を担っている。イギリスがEUに加盟していることによって、金融機関はロンドンに拠点を置けば、EU内の国々で許認可を求められることなく、自由なビジネス展開ができる。こうした自由なビジネス展開に規制がかかる可能性がある。ただ、EUに加盟していることによってこれから導入される予定の金融取引税などがかかる。EU離脱がすべて金融業界にマイナスというわけでもない。製造業は弱体化しているもののEU市場をにらんだ外資系企業が活動をしている。日本からもトヨタや日産など自動車工場が進出している。EUを離脱すると、made in UKには関税がかかることになる。イギリスでの生産の優位性が揺らぐ。すぐには撤退しないものの、投資は減る可能性が高い。