遅まきながら、ライアカット・アハメドの『世界恐慌:経済を破綻させた4人の中央銀行総裁』(上下)を読んだ。原著は2010年、邦訳は2013年の出版である。1997-99年に東アジアなどで発生した金融危機、2008年の米大手投資銀行リーマンブラザーズの破綻に端を発した経済危機について、専門家たちによる研究のほか、ジャーナリストの聞取り取材を基にした詳細な書物が登場している。同様の手法で1929年の経済危機を歴史的に再構成しようとする研究成果の一つが、『世界恐慌』(原著主題『Lords of Finance』)である。