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2014-06-22 01:54
(連載2)フェアプレイから遠いサッカー、子供は何を学んでしまうだろう
中村 仁
元全国紙記者
他のスポーツの例をあげましょう。今年の大相撲5月場所の千秋楽で、横綱日馬富士が大関稀勢の里の髷をつかみ、倒した取り組みでは、「頭髪を故意につかむことは違反が決まり」として、反則負けにしました。せっているうちに、うっかり手を髷に入れてしまったのでは、という同情論もあることはありました。故意、偶然、うっかりとは関係なく、厳正に判定を下したのです。
1986年、アルゼンチンの英雄マラドーナが飛んできたボールに手を出してゴールに押し込んだ時、審判はヘッディングと見て、得点を認めました。マラドーナはインタビューで「ただ神の手が触れた」といい、手(ハンド)を使ったことを否定しませんでした。瞬間的、本能的に手が出てしまうことはあるでしょう。映像をみると、まず故意に手を使ったと思われます。ともかくルールは故意か偶然かを問わず、違反は違反にすべきです。それがルールです。
プロ野球では、投手が打者の頭部にボールをぶつけると、危険球とみなされ違反になるばかりでなく、直ちに退場処分を受け、投手交代です。意図的な危険球が一時、目立ったので、ルールが強化されたのです。野球ではもっとも重い処分でしょう。これも故意か偶然かを問いません。退場処分が重いので、故意に危険球を投げる投手はまずいません。突然の投手交代で、試合の流れが相手方に一気に傾くことが多いからです。
ブラジル大会の開幕戦、ブラジル対クロアチア戦の審判は3人の日本人が務め、話題になりました。主審が試合を左右する決定的なPK(ペナルティー・キック)の判定を下し、これが得点につながりました。わたしもテレビを見ていました。ゴール前という極めて重要なエリアで、あきらかにクロアチアの選手は手を使い、相手選手の背後から押すか引っ掛けるかして、押し倒していました。映像はそれを否定できないほど正直です。(つづく)
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