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2014-06-21 11:40
(連載1)フェアプレイから遠いサッカー、子供は何を学んでしまうだろう
中村 仁
元全国紙記者
ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、日本は上位のギリシャ戦で善戦し、来週のコロンビア戦 にもし勝てれば、決勝進出もないではない位置にいます。普段はサッカーに興味を持たないわたしもW杯となると、特に日本戦はテレビの前に座ります。以前からの「サッカーはルール無視を奨励しており、子供の教育に悪い」という感じを今回も持ちました。ルール違反をみとめるのもルールですか。そこに人気があるのですかね。妙なスポーツですね。
ルール違反の判定が曖昧なところが面白いのだという人もいるでしょう。ラフなところがいいという人もいるでしょう。そうでしょうか。スロービデオの高感度映像をみますと、目にあまる違反があまりにも多いことに腹が立ってきます。違反がバレなければいい、違反が試合の進行に重大な影響を及ぼしていなければ、おとがめなしのようですね。
社会的ルール、法律は守らなければならないと、子供の時から教育しています。スポーツを通じて、健全な精神と身体をつくり、特にフェアプレー精神を体で覚えこませるのがスポーツの目的のひとつです。そういうことを心がけ、貫いているスポーツはいくらでもあります。それに比べ、世界でもっとも人気のあるスポーツの王様のサッカーは、スポーツの中ではフェアプレー精神ともっとも縁遠いのですね。縁遠いところに人気の源泉があるのですかね。試合中継に熱中ばかりしていないで、画面の裏に潜んでいるものを見つめることも大切です。
頭の固い人間の繰言と思わないでください。スポーツの中で並みはずれて、サッカーはフェアとかけ離れていると考える人は少なくないはずです。私は新聞社に長くおり、編集部門にスポーツ論としてのサッカーを書いてはどうだ、と頼んだことが何度もあります。運動部記者はサッカーはそういうものだと刷り込まれ、あまり問題意識を持っていないのでしょうか、当社は無反応でした。目にあまるプレーが多かった2010年の南アフリカ大会の時、経済紙の日経が違反プレーを鋭く批判する解説コラムを載せていました。新聞社および系列のテレビ局は、広告収入と読者獲得を目当てに、サッカー大会のスポンサーなっていることが多く、それでサッカーの批判記事を載せないとしたら、残念なことです。(つづく)
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