(2)は、この共同声明の中で最も注目されている「it is not required to make a prior commitment to unilaterally eliminate all tariffs upon joining the TPP negotiations」との関係でとても重要です。日本の慎重派の方が求めているものを簡単に書こうと思えば、「it is not required to make a commitment to eliminate all tariffs(全ての関税を撤廃することを約束することを求められるものではない)」で足りるはずです。つまり、この文章に付け加わっている「prior」、「unilaterally」、「upon joining the TPP negotiations」という3つの用語にはそれぞれ意味があるということです。
そういうふうに考えると、「not prior」、「not unilaterally」、「after joining the TPP negotiations」の時については何も書いていないということになります。したがって、「交渉参加後」、「一方的にでなく(多数国間で)」はまた別のご相談ということになります。ただし、ここまで書いている以上は何らかの例外が確保できるということについて相当に高い期待感を持つことはできるでしょう。そういう観点から、これを首脳で確保できたということは、現時点では満額回答ということでいいと思います。これ以上は無理です。その一方で、「all goods would be subject to negotiation」は入っていますし、「high-standard」という言葉も入っています。