最近ロシアで、北方領土問題に関する注目すべき論文が発表された。モスクワのカーネギーセンターがそのサイトで2012年12月11日に公表した「太平洋におけるロシアの未来-南クリル問題の解決に向けて(Russia’s Pacific Future: Solving the South Kuril Islands Dispute)」という論文で、これは北方領土問題解決のためのユニークかつ大胆な提案である。内容を一言で言うと、「解決のためには日露双方の譲歩と、過去についての論争ではなく未来志向が必要だ」というもので、最大の注目点は、次の主張にある。つまり、「ロシアは歯舞・色丹をただちに日本に引き渡すべきだ。国後・択捉は特別の経済協力システム、法制度の下で50年先まではロシアが主権を行使するが、その後は日本に主権を渡す。さらに、その後50年は、ロシアもこれらの島に対して経済的その他特殊権益を有する」という提案である。