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2012-11-30 09:59
(連載)「未来」の登場で流れは変わった(2)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
選挙はしょせん政党の業のぶつかり合いだし、戦いなのだからきれいごとではすまない。勝てば官軍なのである。 3・11、すなわち「フクシマ」の現状はどうなっているのかを思い出してほしい。首相の野田は恥ずかしげもなく「事故収束宣言」をしたし、国民生活への甚大な影響を理由に「大飯原発再稼働」を高らかに宣言した。日本の国際競争力の強化、国民生活を守るため、という理由からだった。
ところが実態はどうだったか。政権があおりにあおった電力危機は国民の冷静な対応で難なく乗り切り、「原発は動かなくてもできる」ことを証明した。私たち国民は、原発事故がいかに深刻で長期化するかを、事故から1年8か月過ぎた今でも身近に感じている。
大震災のべらぼうな廃棄物処理もままならないのに、原発から自動的に吐き出される廃棄物の再処理の見通しもないまま、「現実」を盾に「原発の必要性」が声高に言われている。 「事故収束宣言」「再稼働宣言」だけでなく原発を重要電源とする現政権が、「30年代のゼロ」を言い出したのは党内の反発と総選挙を意識したものであることは明らかだ。未来の登場で、野田の「ゼロ論」はトーンが上げたが、これは過去の言動を忘れて総選挙の劣勢を少しでも挽回しようというあがきと言っていい。
いずれにしても「未来」の参入で総選挙が盛り上がることは間違いない。古い政治体質からの脱却には、常識を超えた行動が必要な時もある。維新の立ち上げも古い政治体制の打破がスローガンだった。未来は維新のような暴れ方はしないだろうが、変革には「おとなしいスタート」も必要である。いやというほど政治不信を植え付けられた有権者を2度と裏切ってはならない。(おわり)
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(連載)「未来」の登場で流れは変わった(1)
尾形 宣夫 2012-11-29 19:44
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尾形 宣夫 2012-11-30 09:59
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