一方で、議長がクルド人であるにも関わらず、国民評議会にはシリア国内のクルド人勢力とほとんど結び付きがありません。シリア国内でクルド人の権利回復と民主化を求めているクルド民主党(Kurdish Democratic Party of Syria)からは、やはり少数民族としてのクルド人の権利を制約しているトルコから支援を受けていることを念頭に、「国民評議会にはトルコの影響が強すぎる」とも評されます。結局、欧米諸国を中心に、国際的な認知を引き出したとはいえ、国民評議会は反アサド勢力を結集するには至らなかったのです。