先のグローバル・フォーラム主催の「日米中対話」で、村田教授が私の質問への返答で述べたように、パックス・アメリカーナへの第一の挑戦相手は中国であろう。問題は、この対話でEU東京代表部のアレクサンダー・マクラクラン第一審議官が評したように、アジア諸国がアメリカとの安全保障パートナーシップであまりに受動的なことである。私なりにそうした例をいくつか挙げてみたい。沖縄の人々は普天間米軍基地問題でNIMBY(not in my backyard) な希望を表明しているが、日本の政策形成者達と一般国民は米軍には自国周辺に居てもらいたいというYIMBY(Yes, in my backyard)な姿勢で、世界規模のテロとの戦いにも中東の安全保障にも 充分な関心を向けていない。インドネシア国民も同様に、中東のイスラム教徒の同朋よりも、近隣諸国のことで精一杯である。(つづく)