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2011-12-09 11:05
(連載)「統一ロシア」敗北とチェチェンへの影響(2)
大富 亮
チェチェンニュース発行人
こういったことを総合すると、統一ロシアが本当に過半数を確保したのかさえ、あやしい。きちんと選挙が行われていたら、統一ロシアは3分の1程度の議席しか、確保できなかったのではないか、という気さえする。ロシアも変わりつつある。
その変わりつつあるロシアの象徴が、今、モスクワなどの大都市で起こっている数々のデモだ。詳細については、(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111206-00000030-reut-int)をご覧いただきたい。下院選での不正疑惑に怒った左右の若者たちが、モスクワ中心部の凱旋広場などで数千人規模のデモを起こしている。右派で、かつてチェチェン和平を訴えていた政治家のボリス・ネムツォフも、デモの現場で逮捕されたりしている。
もしかすると、来年の大統領選では、さらに体制が弱まって、プーチン再選もあやしくなってくるかもしれない。それとも、国内への締め付けのために、またチェチェンへの弾圧や、何らかの事件が発生するのだろうか。ロシアで発生する「テロ」事件には、当のロシア政府が関わっていることが多い。
もともとプーチンは、チェチェン戦争での強硬姿勢、即ち「残虐な軍事侵攻」でのしあがった。だから、チェチェンの状況がロシアにとって悪くなれば、プーチンの権力が低下する。逆に、プーチンがいなくなり、シラビキ(ロシア政府の治安省庁の集団)が弱体化すれば、プーチンを後ろ盾にしているカディロフの立場が危うくなる。だから、カディロフはすべての票を私物化して、プーチンに捧げているのである。大統領選にむけて、ロシアの動きは要注目だ。(おわり)
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(連載)「統一ロシア」敗北とチェチェンへの影響(1)
大富 亮 2011-12-08 10:43
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大富 亮 2011-12-09 11:05
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