米国とアルカイダ及びタリバンとの戦争は、これまで対テロ戦争、政治・経済戦争、宗教を含む文化戦争など、様々な観点から論議されてきたが、ビン・ラディンは「宗教戦争」と言明していたことに注目する必要がある。『International Journal of Politics, Culture, and Society』誌によると、2009年クリスマスの民間航空機爆破未遂事件後、イエメンのアルカイダ関連のインターネットで、そのリーダーは「イスラム教徒に対する戦争に参加した西洋諸国はみな十字軍と同じだ。米国の民間人及び軍事上の同盟国の国民を殺すことは、場所を問わず、全てのイスラム教徒の宗教的義務である」と宣言している。
他方、米国のキリスト教史家のマーク・ノォールは、その共同著作『Religion and American Politics』で「ジョージ W. ブッシュは熱心なキリスト教信者であった」と明記している。すなわち「ジョージ W. ブッシュほど、宗教の権利を常に唱え、個人の信仰心を政治に活用したいと願望した政治家は、歴史上存在しない」と述べている。例えば、「聖書を基盤にした政策や法律の制定を望んでいたブッシュは、彼のアドバイザーとして多くの宗教指導者に囲まれており、ブッシュこそキリスト教原理主義者であった」と述べている。また、ブッシュと彼の新保守主義のアドバイザーは、テロリズムに対する戦争の宣言後、民主化運動を強く推進したが、これは「民主主義を広めるためだけではなく、彼の宗教的思想も広めるためであった」と解釈している。事実、前ブッシュ大統領は2001年に「テロリズムに対する戦争」を開始した当時、この戦争は「神の思し召し」であり、戦争に派遣される兵を「十字軍」と呼んだところから、米国ではキリスト教原理主義者が「宗教戦争」であると思っている傾向がある。