NATO同盟諸国の軍事能力もアメリカの国防を考えるうえで重要である。ブリュッセルでのNATO国防相会議に参加したゲーツ長官は、ヨーロッパの同盟諸国に防衛での貢献を高めるように要求した。加盟国の中にはスペインやベルギーのように国防費がGDPの約1%という国もある。これは日本と同じ水準で、平和主義の憲法と国民感情がこの国の軍事行動の足枷になっていることはよく知られている。ロバート・ケーガン氏がかの有名な著書“Of Paradise and Power”で「軍神マルスのアメリカ」と「愛の女神ビーナスのヨーロッパ」について述べてからというもの、事態は変わっていない。イギリスとフランス以外のNATO同盟諸国の軍事力は、まさにピグミー並みである。