アメリカのノーベル賞受賞経済学者、ポール・クルーグマンの2007年の著書、『The Conscience of A Liberal』は、歴史を通して、この疑問に答える手がかりを提示している。1970年代頃から、保守派の知識階級、裕福な個人、及び企業のリーダーは、保守派のシンク・タンクの組織化に投資するようになり、現在、メディア世論の形成に幅広く介入するシンク・タンク・グループが数多く存在するようになった事実を紹介している。中でも、「アメリカン・エンタープライズ・インスティチュートは1943年に発足し、保守派の富豪やその家族から大規模の企業献金を受けるようになった1971年から、著しく規模が拡大している。また、ヘリテイジ・ファンデーションは、アメリカのビール醸造会社クアーズや億万長者として知られる新聞社から現金を受け入れて、1973年に創設されており、大企業から巨額の献金を受け入れている」と述べている。また、「月刊誌『アメリカン・スペクティター』も基本的には上記のシンク・タンクと同様、大金持ちの献金で設立されているし、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の社説欄はサプライサイド経済学の主要代弁者になっている」とも指摘している。(つづく)