2008年の金融危機では、アメリカはマクロ経済政策だけではなく、『取引による政策(Policy by Deal)』と呼ばれる方策も採用していたことを強調して、本欄(1月10-11日、2月7日、9月1-5日)に投稿した内容を中心に発表した。これは2008年当時のヘンリー・ポールソン米財務長官の回想録『崖っぷち(On the Brink)』(2010)と矛盾していないことも言い添えた。そのうえで、この危機の原因には、米政府支援法人の住宅金融会社ファニーメイとフレディマックおよびサブプライムローン(信用力の低い人向けの住宅ローン)という因子が含まれており、これらは全く新自由主義的ではなく、むしろ正反対の因子であることを強調した。つまり、2008年金融危機の原因を新自由主義だけに求めることはできない。