今回の「テイーパーティ」の舞台の中心はワシントンである。オバマ大統領の大規模な景気刺激策や医療保険改革に代表される「大きな政府」政策に反対する草の根運動が、全国的な保守主義運動に発展した。その切っ掛けの一つは、昨年2月19日、CNBCのコメンテーターのリック・サンテリ氏がシカゴの取引所において、住宅差し押さえ救済策に異議を唱え、それが You Tube 等を通じて広がったことであると言われている。その後、抗議デモや運動が全国に広がり、一躍脚光を浴びたのは、本年1月19日、医療保険改革に熱心に取り組んでいたテッド・ケネディ上院議員の死去に伴う特別選挙だった。まさにマサチューセッツ州でケネディー家が約60年間守ってきた民主党の議席が、共和党候補者(スコット・ブラウン氏)によってボストン湾に投げ捨てられたのである。そしてこの勝利に「ティーパーティ運動」が大きな役割を果たしたと言われている。2月4日からはテネシー州ナッシュビルで、「ティーパーティ」初の全国大会が開催され、6日、ペイリン前共和党副大統領候補(前アラスカ州知事)が基調演説を行い、気勢をあげた。