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2009-06-10 12:13
(連載)オバマ批判で脚光を浴びるチェイニー前副大統領(2)
石川 純一
フリージャーナリスト
このチェイニー・ワシントン講演の直前、オバマ大統領は目と鼻の先のワシントンにある国立公文書館で演説し、グアンタナモ米海軍基地(キューバ)のテロ容疑者収容所閉鎖を公約通り実行することを強調、閉鎖を巡っては、共和党だけでなく民主党内にも収容者が米本土に移送されることへの懸念を強めている現況に触れた上で、同大統領は、収容所が「自由と正義」に基づく米国の憲法と法の支配を著しく傷つけたと指摘した。
グアンタナモ米軍基地に関して、グアンタナモの収容所に収容されているテロ容疑者は現在240人。オバマ大統領は演説で、容疑内容によって(1)連邦裁判所での審理、(2)軍事法廷での裁判、(3)裁判所の決定による釈放、(4)本国や第三国への送還、などのケースがあると指摘。いずれの場合でも「容疑者を厳重に警備された施設に移し、米国の国家安全保障にとって危険な人物は決して釈放しない」とチェイニー系の反論に「再反論」。
静かな隠退生活を送っているブッシュ前大統領に対し、昔も今も最も嫌われている政治スタイルを持っているのが、チェイニー前副大統領だ。が、ブッシュ前政権で次席補佐官を務めたカール・ローブ氏を懐刀の1人として抱える同前副大統領の反オバマ論に関し、民主党系の論者が反感を抱くのは当然だが、共和党内でも思いは複雑だ。「チェイニーが共和党の顔として動くことは、災い以外の何物でもない。彼はただの銃を持った不機嫌な老人だ」という声すらある。
米CNNの5月21日の世論調査では、チェイニー前副大統領に「賛同する」人は37%に過ぎないが、今年1月から8はポイント上昇している。いずれにせよ、チェイニー副大統領が、たとえ「不機嫌な老人」だったとしても、この「不機嫌」がどこからきているのか、単なる痴呆の前触れか、それとも彼を「不機嫌」と断定する周囲の方がおかしいのか、精査すべきだろう。(おわり)
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(連載)オバマ批判で脚光を浴びるチェイニー前副大統領(1)
石川 純一 2009-06-09 14:15
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(連載)オバマ批判で脚光を浴びるチェイニー前副大統領(2)
石川 純一 2009-06-10 12:13
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