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2008-11-17 15:20
(連載)オバマ勝利と日本の格差問題(1)
伊藤 英成
元衆議院議員
この度の米国大統領選においてバラク・オバマ候補が圧勝の形で当選した。私は嬉しく思うと共に、米国における「格差是正」の進展をこころから期待したい。同時に、今日の世界的金融危機とアメリカ的市場原理主義の見直しの機会に、日本の「格差是正」も大いに図られることを期待する。日本社会についての私の問題意識を述べたい。私は、2004年6月「生活経済学会」のシンポジウムのパネラーとして招かれた折、日本社会に増大する非正規社員の問題を指摘し、政治家をはじめ関係者の強い取り組みを主張した。2006年2月には読売新聞の「論点」欄(2006.2.24)に「格差生む雇用の是正願う」と題し、非正規社員の問題点、その影響などについて指摘し、その是正を求めた。
2007年1月、当時の安倍首相が欧州を訪問したおり、私は首相の欧州訪問につき、「アメリカ的成果主義の見直しが必要である」、「欧州のライフスタイル・諸制度は今も参考にすべきである」、「その意味でも首相になってまもなくの欧州訪問には意義がある」などと、期待をこめて当「議論百出」に意見を述べた(2007.1.15投稿「安部首相の欧州歴訪について」)。本年1月、春闘を前にして当「議論百出」に「春の賃金引上げと日本の品格」(2008.1.31投稿)と題して、日本の拡大する「格差」是正に資する春闘の必要性を主張した。当時の米大統領選指名を争う、格差問題に取り組むオバマ候補も期待を込めて引用した。
このように格差問題について主張を繰り返し述べているのは、日本社会が不安定かつ不健全なものになりつつあることを、強く懸念しているからである。健全な日本社会のために、度の過ぎた「格差」は是正しなければならない。わが国で拡大する労働市場・雇用における格差、そこにおいては雇用の不安定、賃金の格差、生活の不安定、結婚の困難さ、少子高齢化、犯罪の増加、教育格差、医療保険・年金などの社会保障の享受の格差等々の諸問題を引き起こしている。今や医療・介護・年金などの社会保障制度も崩壊に瀕しているのではないか。社会保障制度の再構築・再整備はいま最大の課題であるはずである。(つづく)
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