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2008-11-12 10:46
(連載)オバマのニューディールは成功するか?(1)
石川 純一
フリージャーナリスト
11月4日の米大統領選で、民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員(47)がジョン・マケイン共和党大統領候補を下し、歴史的な勝利を飾った。米史上初の黒人大統領が誕生した。オバマ次期米大統領は6日、2009年1月20日に発足する新政権の首席補佐官にユダヤ系のラム・エマニュエル民主党下院議員(48)を指名したと正式発表。同次期大統領は声明で「懸案を解決する能力で彼の右に出る者はいない」として、人事や政策立案、議会との折衝を担う政権の要として適任だとした。
エマニュエル氏は、オバマ次期大統領と同じイリノイ州選出で、下院議員当選4回。クリントン前大統領の上級顧問を務め、ホワイトハウスの実務を熟知していることや、投資銀行勤務の経験から経済にも明るいことが、首席補佐官起用の決め手となった。それとともに、就任式までの政権づくりの透明性を維持するとして、政権移行PRサイトを発足させた。同サイトの主要議題は、(1)経済の再活性化、(2)イラク戦争の終結、(3)全国民への福利厚生の付与、(4)米国を守る、(5)米国の世界的な指導力の再始動、となっている。
オバマ次期大統領の最大の課題は、レーガン政権からブッシュ現政権まで連綿と続いた「減税と財政支出の削減、規制緩和によって経済成長を促す」というレーガノミクスの流れをどう変えて、1920年代の世界大恐慌以来という世界的な金融危機を克服していくかだ。少なくとも米国発の世界不況は是が非でも阻止したいところだろう。自国の問題を解決できない国家が、世界のリーダーとして信頼を得ることなど不可能だからである。これまでのようなムードでは、実利を追うことなどできはしない。
かつて、ニューディール政策を掲げ当選した民主党のルーズベルト大統領は、大型公共投資など政府の積極介入によって、世界大恐慌の泥沼に沈んでいた米国を回復させた。オバマ次期大統領の選挙綱領にも、1500億ドルの代替エネルギー開発投資や、600億ドルのインフラ投資による雇用創出などニューディールを意識した公約が並ぶ。(つづく)
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石川 純一 2008-11-13 09:53
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