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2008-08-13 01:06
グルジア情勢は対岸の火災ではない
岡田 章一
元会社員
グルジア情勢が重大化しつつあるようだ。日本の新聞は例によって「ああでもない、こうでもない」と床屋政談の域を出ない井戸端会議レベルの報道に終始しているが、欧米の新聞に目を通すと、事態の受け止め方はもっとずっと深刻だ。そこで共通しているのは、ロシアのグルジア侵攻は21世紀の世界秩序に対する根本的な挑戦になるかもしれないとの危機感だ。1990年8月2日にイラクがクウェートに侵攻したときと似たような衝撃波が欧米諸国に広がりつつある。
とはいえ、1990年にはイラクの侵攻直後のブッシュ(父)・サッチャー会談で直ちに「放置するわけにはゆかない」との意思決定がなされ、それが国連決議678号の採択につながったが、今回は拒否権をもつロシアが紛争の当事国であるだけに、国際社会の対応は簡単ではなさそうだ。
しかし、ロシアのやっていることは、本質的に1990年のイラクのクウェート侵攻と大差なく、これを放置すれば21世紀世界の新秩序は一挙に暗転するだろうとの認識は、深まりつつある。クウェート問題の背後には石油問題があったが、グルジア問題の背後には石油パイプライン問題がある。G8諸国は、ロシア抜きのG7体制で対策を検討し始めたようだが、このままではロシアのG8からの追放は避けられない見通しだという。世界は新冷戦期に逆戻りするのだろうか。いろいろのものがかかっている重大な事態だというのに、日本だけは対岸の火災視しているのが、気になる。
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