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2024-07-16 13:45
日朝関係について
真田 幸光
大学教員
日朝関係については、防衛上の問題、日米露中韓国とのパワーバランスの中で難しい問題が存在していますが、日本と韓国にとっては、北朝鮮に拉致された人々がいるという、「拉致問題」も重くのしかかっています。この問題については、北朝鮮とコンタクトをしないと、解決に向けての活路は見いだせませんが、コンタクトすれば、北朝鮮から、様々な要請を受けるという、したたかな駆け引きに応じなければならず、なかなか解決に向けての突破口が見いだせないでいます。
こうした中、韓国紙の中央日報は先月半ば、「北朝鮮と日本の関係者が5月中旬、モンゴルの首都ウランバートル近くで接触した。」との観測報道を示しました。即ち、消息筋の情報として、「北朝鮮から対外工作機関の軍偵察総局や外貨稼ぎの関係者ら3人が参加、日本側からは有力な名門の政治家が代表団の一員として出席した。」との報道をしました。日朝首脳会談を巡り、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記の妹であるキム・ヨジョン朝鮮労働党副部長は3月、「日本側との如何なる接触も交渉も拒否する。」との談話を発表ましたが、改めて、北朝鮮は外交的活路を求めているとも見られ始めています。そして、中央日報も、「北朝鮮が内外の難局を突破する為の様々な方策を模索している可能性がある。」と指摘しています。そして、同紙によると、「消息筋の一人は、日朝が中国本土の内モンゴル地区で再びコンタクトすることにもなっていた。」としていましたが、実際に接触があったかどうかは定かでないと報じています。
一方、これに関して、日本の林官房長官は記者会見で、「当該報道は承知しているが、事柄の性質上、答えは控える。北朝鮮に対してはこれまでも様々なルートを通じて働きかけを行っている。」と強調した上で、日朝首脳会談の実現に向けて、「岸田首相直轄のハイレベルで協議を進めていく考えに変わりはない。」とコメントしています。
日本が北朝鮮に足元をすくわれず、しかし、拉致問題の解決も含めた方策を如何に求めていくのかが注目されていますが、「米欧には、日本が北朝鮮に対して、拉致問題などの解決を図るが故に、譲歩し過ぎないかどうかを懸念している。」との見方も出ています。残念ながらではありますが、引き続き、日本としては解決に向けた突破口は限定的であるように思えます。日本政府の知恵を期待したいと思います。そして、それが出来れば、岸田首相も期待されているであろう、岸田内閣に対する国民の目も変わり、支持率回復に繋がる可能性もありましょう。
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