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2007-10-24 09:01
連載投稿(2)温暖化の議論をリードするために
鈴木馨祐
衆議院議員
加えてもう一点気になるのは、国際会議でも日本のスタンスとして主張している「共通だが差異ある責任」というフレーズである。もともとは中国、インド等の新興工業国と、水没の危機にある島嶼国、旱魃や疫病の脅威にさらされるアフリカ諸国では、援助等に関する対応や対策の義務化において違いがあってしかるべきという意味合いであったはずである。それが、いつの間にか国際会議の場でも新興工業国が途上国と先進国との責任の違いを強調するときに使われる言葉となってしまっているのだ。これでは京都議定書でその規制がかかる国が、結果的に世界の二酸化炭素排出量のわずか40%相当となってしまった失敗の轍を踏みかねない。その失敗を繰り返さないためにも、途上国をひと括りにするのではなく、真に温暖化の被害を受ける国や温暖化に取り組む意識がある国と、新興工業国を分断する戦略として「共通だが差異ある責任」ということを日本は提唱したはずである。この言葉のもつ意味を改めて世界に対して発信すべきだろう。
環境問題は日本が技術的優位にあり、エネルギー効率も世界最高水準を誇っている、まさに日本が最先端を行く分野のはずである。また洞爺湖サミットというステージも幸運にも用意されている。温暖化問題は日本が世界をリードする数少ないチャンスであると同時に、その優位性を考えれば日本には議論を正しい方向にリードする責務があるはずである。日本政府の戦略的な対応を期待したい。(おわり)
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投稿履歴
連載投稿(1)ヤマ場を迎える地球温暖化問題
鈴木馨祐 2007-10-23 11:44
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連載投稿(2)温暖化の議論をリードするために
鈴木馨祐 2007-10-24 09:01
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