恒大集団の連続技が切れたのは分譲住宅が売切れにならなくなり、コストが上昇したところにあります。自転車操業ですから一つ歯車が狂うと全部狂います。そしてP1からP100ぐらいまで繋がっていると海岸に打ち寄せる波が台風のように荒れ狂うことになるわけです。ではどうするのか、ですが、基本的に住宅は一般庶民は欲しいのです。ただ、高くて買えないだけなので割安感を出せば売れるに決まっています。安くするにはどうするか、といえば資金を貸している債権者に「泣け」といえばいいわけです。会社の決算は西側標準ですと債権者が泣けば借り手はforgiveness of Debt(債務免除益)といって莫大な利益が恒大集団に計上されるはずです。が、22年末の決算ではそれが見えないのでどういう会計処理をしているのか不明ですが、基本は貸借対照表の左右が膨大に膨らんでいたものを強制的に小さくすれば再建は可能なのです。繰り返しますが、これは不動産開発事業者が享受できる特徴だと言えます。恒大集団がアメリカで破産法を適用したのもアメリカの資産整理のためであり、中国本国に所有する不動産は痛むことはないでしょう。また、恒大集団はたぶん、近日中に上場する香港市場での取引を再開します。香港市場は18カ月取引がないと上場停止できるとなっており、現在取引停止から15カ月程度たったところです。同社は香港証券取引所に取引再開の申請とそれを満足させる資料を提出しているようです。