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2022-04-08 21:30
(連載2)経済安全保障と各国の動きについて
真田 幸光
大学教員
BISは、「ロシアが攻撃的な軍事能力を維持するのに必要な技術や他品目に対する接近を厳しく制限する。国防・航空宇宙・海洋分野を主にターゲットにした」と発表している。そして、制裁品目としては、半導体・コンピューター・通信・情報セキュリティー装置・レーザー・センサーなどが含まれ、上述したように日台韓の得意分野の製品が対象となるのである。BISはまた、今回の制裁措置について、「欧州連合(EU)・日本・オーストラリア・英国・カナダ・ニュージーランドと協力したものであり、これらの国々も加わるだろう」と述べ、中国本土の脅威を感じている台湾も制裁参加をいち早く表明した。
韓国は当初、制裁参加の意思表明が遅く、BISのこのコメントの中に韓国の名前はなかったのであるが、BISが、「より多くの国が輸出規制政策と要件に合わせて参加するものと予想される」とも語り、韓国も後に消極的参加をしてきたように映っている。
尚、米国のライモンド商務長官は声明で、「ロシアの行動はウクライナで暮らす人々にとって今起こっている脅威であるが、世界の民主主義にとっても実質的な脅威として作用している。米国は決断力をもって行動し、同盟国やパートナーと緊密に協力することで、民主的に選出された政府に対するロシアの侵略を容認しないだろう。ロシアの軍事力を支援する製品、ソフトウェア、技術を制限する為、我々のあらゆる手段を用い続ける」とも語り、中露本格連携を意識、中露包囲網を構築する意欲も示している。
今後、世界は混沌から混乱に向かうのか、再び英米の秩序に戻るのか、中露が秩序を崩しに来るのか、注視しながら、こうした経済安全保障の動きも眺めていかなければならないものと筆者は考えている。(おわり)
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(連載1)経済安全保障と各国の動きについて
真田 幸光 2022-04-07 15:08
(連載2)経済安全保障と各国の動きについて
真田 幸光 2022-04-08 21:30
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