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2022-02-19 09:52
(連載2)習近平主席の向かうところ
岡本 裕明
海外事業経営者
中国の本心は中華思想の地球規模での拡大です。例えば、歴史的にキリスト教が布教を通じて世界規模で勢力を拡大させてきたように、中華共産という思想を世界に広げ、覇権を目指すことについては、中国は絶対に譲れないところでしょう。一帯一路にしても、アフリカを中心とする各国支援、はたまた東南アジア諸国への影響を深めることもその一環です。そして中国本土はその総本山であり、より神聖なものであるという位置づけをする、これが中国の目指すところです。これを推し進める政治指導者として、たまたま習近平氏は運と才能とカリスマ性に恵まれました。彼には14億人もの人民をひきつける固有の力があるとも言えます。私は仮にトップ交代という事態になった時には、後任がこの支配構造を維持するのは不可能だとみています。
政権が長ければ長いほどその後を引き継ぐ人が苦労するのは至極当然です。日本では安倍政権のあとは方向感覚が乱れましたし、ドイツもメルケル首相が退任した後はパッとしません。同様のこととして、プーチン氏も後継者に引き継げないし、習氏も同様の自壊のサイクルに入りつつあるのです。
習氏はまだ68歳と若いゆえにやる気があればあと10年はできるかもしれません。しかし、あと10年しかないともいえるのです。同様にプーチン氏は69歳ですからこの二人がほぼ終身的な指導者となってもさほど先が長くないゲームだとも言えるのです。長期政権が崩れる時、民は蜂起します。蜂起といっても今は剣や銃器を持つわけではなく、今までの抑圧を発散する自由をよりクレバーな方法で追い求めるでしょう。
権力は無期無限ではなく、権力者の力が及ぶ限りという有限性があり、それが次世代に引き継がれない限り一代限りの芝居で終わる公算は以前にも増して高いと考えています。中国の歴史は毛沢東、鄧小平それぞれが過去を否定したわけですから習近平氏もいずれ否定される運命にあるともいえます。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)習近平主席の向かうところ
岡本 裕明 2022-02-18 17:26
(連載2)習近平主席の向かうところ
岡本 裕明 2022-02-19 09:52
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