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2021-10-15 22:26
(連載1)中国の共産主義国家ゆえの経済問題
大井 幸子
国際金融アナリスト
中国共産党はこの7月に創設100周年を迎えました。戦後から振り返ると、毛沢東から鄧小平の市場開放へ大きく方向転換し、その後は江沢民・胡錦濤によるテクノクラート支配の下で資本主義的な経済に切り替わり、大きな成長を遂げてきました。そして、2013年に習近平がトップに立ちました。が、この7-9月の成長率はマイナスに転じると予想され、コロナショックを起点に、統制経済、思想統制など、毛沢東時代に逆戻りするかのような様相です。
このところ、中国恒大集団のニュースが世界を駆け巡りっています。習近平政権は、このところ、アリババやディディといった巨大IT企業のIPOを差し止め、ゲームやオンライン教育産業を規制し、芸能人の活動を監視し、マカオのカジノ産業と不動産バブルを潰しに動いています。IT長者になった起業家や華やかな芸能界など、ゴージャスなお金持ちへの抑圧を強めています。戦時中の日本のスローガン「贅沢は敵だ」を思い出します。
また、習近平は「共同富裕」を掲げ、貧しい人々へ富を再分配しようとしています。一見するとヨサゲな政策ですが、実質的には共産党が富を独占し、中央集権的に国があらゆる経済活動を支配するという共産主義へと移行していくとみられます。恒大集団がデフォルトするかもしれないという危機は、まさに第二の文化大革命の始まりです。
共産主義はなぜうまくいかないのか?歴史的にはソ連の崩壊から学ぶことが大きいです。ソ連はスターリン時代の1950年代には世界第2位の経済大国にのし上がり、1960年代に黄金期を迎えました。労働者には週休二日制、住宅、教育、医療、年金などが保証されました。しかし、1988年のペレストロイカの頃には失業者が溢れ、間も無く、ソ連は崩壊しました。スターリン体制は30年ももたなかった。対外的な戦争で敗北したのではなく、国内の経済が立ち行かなくなり、内部から腐って自滅したのです。(つづく)
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(連載1)中国の共産主義国家ゆえの経済問題
大井 幸子 2021-10-15 22:26
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大井 幸子 2021-10-16 19:39
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