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2021-07-16 20:25
(連載2)4度目の緊急事態宣言は必要だったのか
中村 仁
元全国紙記者
宣言に格上げしてしまった以上、「東京大空襲の警報下での大運動会」という光景になります。またもや飲食店での酒類提供の中止です。居酒屋で1人で酒を飲むことまで禁止する必要はあるのかどうか。本質的な問題は、そうまでして東京五輪を開催すべきなのか。人間が決める五輪はいつでも開ける。コロナウイルスの感染拡大は、コロナに聞いても分からない。分かることはやり、分からないことには深入りしない。
開催を必要としているのは、バッハIOC会長、菅首相、小池都知事、テレビ放映をしたい北米テレビ局、広告収入がほしい日本の新聞・テレビ局、与党の応援が仕事になっている識者らでしょう。新型コロナ対策を強化し、「安全・安心な五輪を開催し、歴史に残る大会にしたい」と、菅首相や小池知事は語っています。結果は逆で「コロナ危機下で強行した無茶な五輪」という意味で歴史に残るでしょう。
「感染症拡大の懸念がある際は、早期に五輪開催の断念を決めるという教訓がレガシー(遺産)となった」と、言い換えることもできます。五輪開催のあり方について、新しい考え方が芽生えてくるとはこのことです。五輪の協賛企業の日本の新聞、テレビは、右往左往しています。日経の大きなコラムに「ニュース・エディター」と称する記者が菅首相のやり方を「菅モデル」と、持ち上げていました。菅政権のやり方は、とにかく何でもやってみる竹槍戦術で「モデル」というには程遠い。
朝日新聞の社説は「五輪の開催自体が矛盾をはらんでいる」です。以前書いた「五輪中止を首相に要望する」は、どこへ行ってしまったのか。読売は「無観客を含め、安全な開催に万全を尽くすことが重要だ」と、当然すぎることを言っています。日経は「五輪を間近に控え、政府が対策を強化するのはやむを得ない」と、これまた意味のある内容ではありません。(おわり)
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(連載1)4度目の緊急事態宣言は必要だったのか
中村 仁 2021-07-15 21:04
(連載2)4度目の緊急事態宣言は必要だったのか
中村 仁 2021-07-16 20:25
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