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2021-04-27 18:27
(連載1)与党全敗で貧乏くじを引き続ける菅首相
中村 仁
元全国紙記者
広島、長野、北海道の衆参3選挙で、与党は全敗しました。「カネと政治」「後手後手のコロナ対策」が争点だったとされます。菅首相は「国民の審判を謙虚に受け止める」と語りました。選挙の敗北は菅首相の敗北であるにしても、全てが首相の責任かといえば、どうなのかなと思わざるを得ません。安倍長期政権の残務整理という損な役回りを引き受けさせられています。
最大の山は大規模選挙買収事件を起こした広島の敗北で、「金権政治に対する有権者の厳しい姿勢の表れ」(朝日新聞社説)は確かです。買収事件の発端は、河井夫妻側に自民党から提供された資金にあります。19年参院選で自民党から、河井案里氏と溝手顕正氏の2人が立候補しました。選挙資金は河井氏に1億5千万円と桁外れの巨費、溝手氏の10倍だったといいます。溝手氏は安倍前首相との間で確執があり、河井氏に勝たせるための資金だった。それにしても巨額です。
自民党幹事長の二階氏も1億5千万円の供与に同調したのでしょう。票を買収したとされる河井案里氏は当選し、溝手氏は落選しました。選挙後、大規模選挙買収事件が発覚し、案里氏は逮捕され議員辞職しました。後釜の自民党候補が金権批判から落選し、与党は全敗となりました。菅氏は官房長官を務めていましたので、責任はあることはあるにしても、事件の主たる責任は安倍氏、二階氏にある。3戦全敗の責任を問われる菅氏は貧乏くじを引く巡り合わせとなりました。
全敗のもう一つの原因は右往左往しているコロナ対策です。コロナ危機は安倍前首相当時の昨年2月から顕在化しました。3月には東京五輪の1年延期を決定し、4月に緊急事態宣言を発令しました。この間、安倍氏は事前のすり合わせもなく、突然2月に全国一斉休校を宣言しました。コロナ危機対策の先頭に立つ姿を印象づけたいという政治的な計算が働いた。社会経済活動を過剰に自粛させるという路線を安倍氏が敷き、今もそれが継続しているということです。(つづく)
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