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2019-10-23 12:10
(連載2)文大統領は何を考えているのか
岡本 裕明
海外事業経営者
ではなぜ、チョ長官を強引にその地位に据えたのかといえば、彼のようにグレーな疑惑で世論の注目を浴びている者をルアーとすることで、検察組織の異常さを国民に広く知ってもらうという作戦だとしたらどうでしょう。一歩間違えればアウトのきわどい勝負ですが、文大統領が冒険的にならなければならないほど追い詰められているとも言えます。この線ならば、チョ長官は文大統領にうまく利用されているということになるでしょう。
韓国の内憂外患という点に関して言えば、ぱっと思いつくだけでも10やそこらの重要案件が思い浮かびます。例えば、徴用工問題では一向に返事ができていません。韓国側にとっては日本政府に建設的な回答ができない根本的問題が内在していますし、他の案件でそれどころではなく、政権を維持することすら危うい状態にあるからとみています。
さて、周辺国は韓国の状況をどう見ているでしょうか。北朝鮮はこの状態をニヤニヤしながら見ていると思います。日本はといえば、二階幹事長が「日韓問題では、日本が譲歩できることは譲歩を」と述べていると報じられています。これをどうとるかですが、その際、二階さんは安倍首相の4選もあるとも述べています。二階氏は、韓国に対し日本の姿勢が今後も変わらないだろうとは思いつつも、日韓の冷えた状態が将来の東アジアの経済、安全保障上望ましくないという認識自体は日本にもある、とシグナルを送る懐柔案とみています。強硬派からは「何を言うのか、二階さん」と批判したいところかと思いますが、韓国が崩壊されても困る、という危機感が二階さんにあるのかもしれません。
韓国の経済状態は非常に悪化しており、97年危機の再来もあるとみる向きもあります。左派政権が民主主義を強く前面に出すことで、政策にブレが生じ経済が下向きになりやすいことを改めて確認しました。韓国が普通の状態に戻るには、何はともあれ経済の立て直しです。そして、若年層の失業率を改善させるよう、企業活動を活発化する対策を練ることが第一義でありましょう。回復にはうまくいっても5-6年かかるでしょう。韓国では反文政権の大規模なデモが行われました。文大統領には確実により強い向かい風が吹くことでしょう。韓国国内の混乱の行方が懸念されるところです。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)文大統領は何を考えているのか
岡本 裕明 2019-10-22 18:43
(連載2)文大統領は何を考えているのか
岡本 裕明 2019-10-23 12:10
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